「この味を広めたい」神戸・御影のチーズケーキ専門店カッサレードがひとつのケーキに込めた思い

「最近、感動したことは?」と聞かれて、思い浮かぶものはなんでしょうか。

映画や小説、もしくはドラマ、結婚式の花嫁スピーチ、子どもからの手紙…
あるいは「最近感動してないなぁ」なんて答えもあるかもしれません。

そんな質問を投げかけた私が最近感動したのは、神戸・御影のチーズケーキ専門店がつくるひとつのチーズケーキを食べたときでした。

今回は、「そのチーズケーキにどんな思いが込められているんだろう」と興味がわいて、「CASSALADE(カッサレード)」店主の大西秀輝(おおにし・ひでき)さんにお話を伺ってきました。

(取材日:2018年5月22日)

「この味を世に広めたい」看板商品スクエアチーズケーキへの思い

カッサレードスクエアチーズケーキ写真

――お店一押しのスクエアチーズケーキがとてもおいしくて。
ホームページを拝見したときに、「スクエアチーズケーキを世に広めたい」というストーリーに感動しました。

まず、このスクエアチーズケーキが生まれたきっかけを教えていただけますか?

大西さん(以下、大西):私は5、6歳のときにアメリカに住んでいたんですが、ちょうど物心がついたころ、エリーさんという隣の家のおばあさまがおいしいチーズケーキを振舞ってくださって。

このチーズケーキを食べてみると「なんだこれは!こんなにおいしいものは食べたことがない」という衝撃的なおいしさだったんです。

自分の記憶をたどると、一番おいしいと感じたものがこのチーズケーキ。だから、私にとって本当に原点ですね。

日本に帰ってきてケーキ屋さんに行ってみるんですが、この味がないんです。子どもだから「日本にもある」と思っていたんですが、ない。

ちょうど母親がエリーさんからレシピを教えてもらっていたので、それを作ってもらい私の誕生日など友達が集まるときに振舞ったら、「おいしい、これどこで買えるの?」と言われて、とても好評で。

ずっと「こんなにおいしいチーズケーキがあるのに」「この味を世に出したいな」という思いをもっていました。
それが自分にとってパティシエになる原点でしたね。

――5、6歳のときに食べた味が忘れられなかったということは、それだけ印象深かったってことですよね。

大西:本当に雷に打たれたような衝撃でした。

アメリカのお菓子というと、赤や黄色などカラフルなイメージがあると思いますが、家庭やホームパーティで振舞われるのは焼きっぱなしのケーキや、飾らない素朴だけど食べると味わい深いケーキ。

そういう意味では、温かみのあるケーキで非常に印象残っています。

――このレシピは当時のレシピと同じものなんですか?

大西:レシピは直接エリーさんに聞きに行って、実際に作ってみて「これでいいか」というチェックも受けておりますので(笑)、あのとき衝撃を感じた味のまま、今販売できているという感じですね。

――「カッサレード」というお店の名前の由来は?

大西:オリジナルの言葉でフランス語の「カッソナード」と「レードル」を組み合わせた造語です。

お店を構成するものでなにが大事かなと思ったら、砂糖とスプーンが思い浮かんで、精製していない砂糖の「カッソナード」とスプーンの「レードル」をくっつけて「カッサレード」になりました。

この2つはもちろん工房でもケーキを作るときに使いますし、カフェでもコーヒーや紅茶を飲むときに砂糖とスプーンを使うので、作る方でもいただく方でも大事なアイテムですからね。

チーズケーキ好きにはたまらない、バリエーション豊富なメニュー

――お店の一番人気の商品はスクエアチーズケーキということですが、ほかに人気の商品はなんでしょうか?

大西:二番目は特に女性人気の高いトリプルチーズケーキです。

下からベイクドチーズケーキ、マスカルポーネムース、レアチーズクリームと3層になっていて、スポンジのクラム、塩味のクッキーがトッピングされています。

▼トリプルチーズケーキ

トリプルチーズケーキ中身写真

大西:三番目はとろけるレアチーズか、ロックチーズケーキでしょうか。

ロックチーズケーキは意外と熱に強くて、今の時期だと少しくらい持ち歩いても大丈夫です。

▼ロックチーズケーキ

カッサレードロックチーズケーキ写真

大西:フォークなしで食べられるので、学校や会社のイベント用に大量購入されるお客様も結構いらっしゃいます。

あとは、山登りに行く方が山に持っていって頂上で食べたり、なんてこともあるようです。
手軽に食べれるところが魅力ですね。

――ちなみに、大西さんが個人的に好きなお菓子はどれでしょうか?

大西:そうですね……スクエアチーズケーキです(笑)
思い入れがありますし、原点はなかなか超えられないですね。

――やっぱり!
スクエアチーズケーキに使っているチーズの種類や、材料へのこだわりを教えてください。

大西:スクエアチーズケーキは、オーストラリア産のクリームチーズを使っています。

こだわりは広島産の無農薬レモンを使っているところ。

国内に出回っている国産レモンは3%ほどなんですが、その中の無農薬レモンはもっと少ないんです。
完全無農薬のもの、土から何年か農薬を使わないで認証を受けた土壌から作られたレモンで、なおかつ雑草なども手で抜いて育てられています。

そういうレモンが広島県・瀬戸内の船でしか行けない大崎上島という島にあるんです。
それを1個1個輪切りにして、雑味がでないように手で絞ってその果汁を加える。

ですから、チーズは濃厚なんですが、本当にクリアで後味はさわやかな風味と、クルミの香ばしさが余韻として続いていくような味わいです。

――確かに、食べたとき濃厚なのに、チーズのしつこさは感じませんでした。

自分の好きなケーキだからこそ、次々と生まれるアイデア

カッサレードショーケース内写真

――扱っているのはチーズケーキがほとんどですよね。
チーズケーキ専門にしようと思ったのも、やっぱりスクエアチーズケーキの存在があったからなんでしょうか?

大西:もちろんそれもあるんですが、元々はごくごく普通のパティスリーだったんです。チーズケーキも数種類ありましたが、今ほど多くはなかった。

実は2012年にうめだ阪急に常設で出店してくれませんかという依頼があり、チーズケーキメインでとお声がけを頂きまして、そのときに僕の好きなチーズケーキでいこうと。

自分のチーズケーキの世界を広げるために、チーズケーキに特化していけたら……と思って。

――オープンは2002年で、2012年までは普通にほかのものもあって、そのあとチーズケーキ専門店になったという感じですか?

大西:じつはそのときも半分以上はチーズケーキがあったんですが(笑)、うめだ阪急に出店するのをきっかけに、一気にそこでトンと背中を押されてチーズケーキ専門店になったという感じですね。

実際お客様をみていてもチーズケーキを求めてきてくださる方が多かったので、自分の好きなチーズケーキで喜んでもらえるというのは実感としてありました。

もちろん紆余曲折はありましたが、今は自分の好きなケーキで、日々こんなものを作ろう、こんなことをしようと考えたりすることが本当に楽しいですね。

カッサレードショーケース内写真

――ちなみにお店には何種類くらいチーズケーキがあるんでしょうか?

大西:季節によってメニューが変わることもありますが、常時20種類くらいでしょうか。
定番が半分くらいで、あとはその日によって入れ替えたり、1週間、2週間、季節によって変えるものもあります。

9割はチーズケーキで、一部チョコ系のケーキやプリン、焼き菓子なども置いています。

家族で来られてお父さんだけチーズケーキが苦手というケースもあるので、そういう時に対応できるようにチーズケーキ以外のものもラインナップとして用意しているんです。

――なるほど。色々メニューを考えるのも楽しそうですね。ちなみに、今まで作ったチーズケーキは何種類くらいあるんでしょう?

大西:レシピ的には150~200種類くらいあるんですが、まだ出し切れていないものもあります。

――200種類!微妙なバリエーションがあるんですね。

大西:冬の寒い時期はものすごく濃厚なチーズケーキだったり、夏になると今度はさっぱり系のチーズケーキを作ってみたり。季節によって使う食材を変える、チーズの濃さを変えることもありますね。

――レシピが200種類ってすごく多いと思うんですが、それはどういう瞬間に思いつくんですか?

大西:「食べること」からインスピレーションを受けることが多いです。

料理食べているときなど、ケーキと違ったものからインスピレーションを受けることもありますよ。

――「これと合いそう」と、パッとひらめく感じなんですね。

大西:はい。ですから作っていておもしろいですね。

それこそ、和の素材で醤油やみそ、ごまとも合わせてみたり、野菜、お芋、かぼちゃ、トマトなど、そういった野菜とチーズを合わせてみたり。試行錯誤しながら種類が増えてきたという感じです。

日本酒のチーズケーキもそういう経緯で生まれました。

地元の酒蔵とのコラボレーション

日本酒のチーズケーキ写真

――「日本酒のチーズケーキ」が生まれたきっかけは?

大西:東灘区役所のイベントで、毎年10月半ばから11月末までに「ひがしなだスイーツめぐり」というものがありまして。
専用のバスが40数店舗の洋菓子店界隈を周遊するんです。

そのイベントのときに「地元の食材や名産品を使ってなにかケーキできませんか?」という依頼を受けました。

東灘区といえば日本酒だと思って、そのとき僕が好きだった日本酒をつくっている福寿さんに「コラボレーションさせて頂けませんか?」とお話をしたら快諾していただいたんです。
そこからこの日本酒のチーズケーキが生まれました。

今年の3月3日には「白鶴・百黙・福寿・剣菱・仙介・大黒正宗」という御影郷(みかげごう)6酒蔵の日本酒とコラボレーションイベントを開催し、お客様にも大好評でした。

――確かに、東灘は酒蔵が多いですもんね。日本酒のチーズケーキは、お酒の味がしっかりとでているので、お酒好きな人にぴったりだと思いました。

大西:ありがとうございます。お酒と酒粕も入れていて、本当に華やかな香りとお酒の風味豊かな味わいを感じられるので、ぜひ味わっていただきたいチーズケーキのひとつです。

カッサレード店内写真

――お店にはカフェスペースもあって、ここでショーケースのチーズケーキがいただけるんですね。

大西:はい。お店ではチーズケーキに合うワインも用意しています。
ブルーチーズのチーズケーキなどもありまして、これと甘めのデザートワインと合わせると、両方引き立てあっておいしいんです。

ブルーチーズははちみつと合うので、蜜を感じさせるような、果実を感じるワインを置いています。

カフェではそういうチーズとワインのマリアージュ、組み合わせを提案したりもしていますよ。

「チーズケーキの世界を広げていきたい」、カッサレードが目指すもの

カッサレード店主写真

――最後にカッサレードの今後の展開や目指しているものを教えてください。

大西:やはりもっとチーズケーキの世界を広げていきたいと思っています。

ほかのお店にはないチーズケーキだったり、ブルーチーズのような「ケーキにできるの?」というチーズを使ったスイーツを作りたいですね。

ブルーチーズをそのままだと食べられない人も、ケーキにすれば食べられたりするんです。そういうおもしろさが伝わったらいいなと。

あとはチーズケーキが好きな方がいらしたときに”お気に入りのチーズケーキ”を見つけていただけるように、バリエーションを増やしていきたいと思います。

チーズケーキでもスフレが好きという方や濃厚なチーズの味がするケーキが好きな方、ベイクドチーズケーキのような硬めのケーキが好きな方など色々いらっしゃいますよね。

お客様ひとりひとりの好みに合うようなチーズケーキを、これからも作っていきたいです。

――大西さん、ありがとうございました!

インタビューを終えて

カッサレードチーズケーキ写真

「それが宅配便で送られてきたお菓子であっても、情熱をもって作られたものは、その思いが買った人に伝わるものなんだ」

カッサレードのチーズケーキは、私にとってそんな感動を与えてくれたスイーツ。

ひとつひとつの質問に対し、言葉をじっくりと選びながら、その思いを語ってくれた大西さんからは「大好きなチーズケーキを世に広めたい」という情熱が胸に伝わってきました。

看板商品のスクエアチーズケーキは、オンラインショップでも購入可能。

大西さんが衝撃を受けたというチーズケーキの味を、ぜひ一度味わってみてくださいね。

CASSALADE(カッサレード)の商品一覧

OMIYA!では、カッサレードの商品を食べてみた感想を記事にしています。
このページをきっかけにそれぞれのお菓子についてもチェックしていただけたらうれしいです。

▼一番のおすすめはスクエアチーズケーキ。

カッサレードスクエアチーズケーキ写真

▼焼き菓子の詰め合わせも、オンラインショップから購入できます。

カッサレード焼き菓子写真

▼スクエアチーズケーキ同様、無農薬レモンを使用したグラスマドレーヌもぜひ手に取ってみてください!

カッサレード焼き菓子写真

CASSALADE(カッサレード)の店舗情報

カッサレード外観写真

  • 住所:兵庫県神戸市東灘区住吉宮町 7-2-10 OCビル 1F
  • アクセス:JR神戸線「住吉駅」より徒歩5分
  • 電話番号:078-821-3553
  • 営業時間:10:30~20:00
  • 定休日:木曜日
  • ホームページ:http://cassalade.com/